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税務調査では、修正申告をした方がいいのか、更正決定を受けた方がいいのか

税務調査の終了段階で、税務職員から

「修正申告をお願いします。」

と言われたり、税理士から

「修正申告をしましょう。」

と言われたりすることがあります。

 

税務調査の時に、修正申告をしたほういいのでしょうか、それとも税務署から更正決定を受けた方がいいのでしょうか。

 

国税通則法第24条には

「税務署長は、納税申告書の提出があつた場合において、その納税申告書に記載された課税標準等又は税額等の計算が国税に関する法律の規定に従つていなかつたとき、その他当該課税標準等又は税額等がその調査したところと異なるときは、その調査により、当該申告書に係る課税標準等又は税額等を更正する。」

また、国税通則法第24条第2項及び第3項には

「2 国税に関する調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、当該職員は、当該納税義務者に対し、その調査結果の内容(更正決定等をすべきと認めた額及びその理由を含む。)を説明するものとする。

3 前項の規定による説明をする場合において、当該職員は、当該納税義務者に対し修正申告又は期限後申告を勧奨することができる。この場合において、当該調査の結果に関し当該納税義務者が納税申告書を提出した場合には不服申立てをすることはできないが更正の請求をすることはできる旨を説明するとともに、その旨を記載した書面を交付しなければならない。」

となっています。

 

簡単に説明すると

「税務調査で申告が誤っていたことがわかった時には、税務職員は納税者に申告が誤っていたことを説明して、原則は、税務署から更正決定をするが、納税者自らが修正申告してもいいですよということができる。」

となります。

 

つまり、税務署から更正決定を受けるのが原則で、納税者は修正申告する必要はありません。

しかし、税務署からは、修正申告をするように非常に強く勧めてきます。

 

なぜ、税務職員は修正申告を非常に強く勧めてくるのでしょうか。

税務署が更正決定した場合、税務訴訟に発展することがあります。税務訴訟となった場合には、税務署側では立証のための証拠集めや準備書面等の作成等の作業が生じます。また、敗訴のリスクも生じます。

そのため、更正決定をする前に、国税局の訟務官室に事案の報告の上、許可を得ることになっています。

税務署としては、このようなリスクや手間を考えると、可能な限り更正決定をせずに、納税者から修正申告を提出してもらうことが第一の選択となります。

 

では、実際に、修正申告をしたほういいのでしょうか、それとも税務署から更正決定を受けた方がいいのでしょうか。

 

個人的な考えとしては、

・明らかな誤り

・裁決や税務訴訟ですでに決着がついている指摘

・少額の否認だけ

あれば修正申告をした方がいいと思っています。

 

税務職員も人間ですので、あまり敵対してもメリットはありません。少額の否認だけだったり、明らかな誤りや税務訴訟をしても納税者が敗訴するのであれば、早く税務調査を終えるようにした方が、税務署、納税者ともにメリットがあります。

 

しかし、一方、

・多額の否認

・裁決や裁判で明確な判断が付いていない指摘

であれば、更正決定を受けた方がいいと思っています。

 

税務訴訟となったとしても、税務署が勝訴できると判断するものだけが、更正決定になります。税務調査で十分な審理がなされずに、修正申告をお願いされることも考えられ、当初の否認が一部削除されることもありえます。また、当初の否認と同じであった場合でも、納税者自らが修正申告しても、更正決定を受けても、当然、納めるべき税金に変わりがありません。更正決定では、税務署で十分審理がなされているものだけとなりますので、多額の否認や裁決や裁判例で判断がついてない指摘については、更正決定を受けた方がいいと思っています。

 

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